まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ヘビはヘビ屋

最近滅入る話やニュースばかりだったが、逃げ出したアミメニシキヘビを捜査にあたった警察ではなく専門家が屋根裏から瞬時に見つけ出したニュースは、近所の住民や関係者には申し訳ないが、個人的には久しぶりに嬉しいニュースだった。

ヘビを野外で見つけるのは意外と難しい。ヘビはヘビ屋だ。

環境調査員をしているときに出会った人で、フィールドでヘビを見つける能力に驚かされたのは2人。1人は徳田君で以前に思い出話を書いた。彼はヘビ愛でヘビを見つけ出していた。

もう1人は会社の先輩だったFさんだ。彼はヘビに愛情は無かった。でも仕事として両生爬虫類の調査を担当することが多く、仕事としてヘビを見つけていた。こんなところにはいないだろう、というところでも見つけ出してくるので、何度も驚かされた。彼のスキルは凄いと思ったが、本人は謙遜してただ糞真面目なだけだと言っていた。そう、彼の探索方法は極めて単純で真面目。ヘビが隠れている可能性のある石や倒木などを虱潰しにひっくり返すというものだ。こんなところには隠れていないだろう、という感情は捨て、全てひっくり返すのである。いやいやそんな小さな石の下にはいないよ、とか、そんな大きな石の下には隠れられないよ、とか、そんなことを考えずに全てだ。ある時、急いでいたのか林道の石を全てひっくり返したままにしていて一緒に調査に入った人に怒られていたが、彼が調査した範囲は凄いことになっていた。でも面的な調査範囲を匍匐前進でもしない限り網羅的に調査することは出来ないので、Fさんも歩く範囲や場所を経験や勘で選んでいたに違いない。Fさんは環境調査の業界から離れてしまったようだが、彼の才能がどこかで生かされていると良いのだけどと時々思い出す。