まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

世界最大のゲンゴロウの再発見

LARS HENDRICH, MICHAEL MANUEL & MICHAEL BALKE (2019) The return of the Duke—locality data for Megadytes ducalis Sharp, 1882, the world's largest diving beetle, with notes on related species (Coleoptera: Dytiscidae). Zootaxa, Zootaxa 4586 (3): 517–535. 

世界最大のゲンゴロウはブラジルから記載されたMegadytes (Bifurcitus) ducalis Sharp, 1882だが、ホロタイプ以外に知られておらず絶滅したと考えられていた。今回、パリ自然史博物館の未整理標本の中から10個体を新たに発掘し詳細に記載している。

今回の発見である程度産地が絞り込めたのでブラジルのセラード地域を調査をすれば現存している可能性があると著者らは夢のある考察しているが、追加標本も19世紀のものなのでどうなんだろう?見つかったら凄いな。

世界一大きなゲンゴロウはDytiscus latissimus Linnaeus, 1758だと思っていたがこの種は44㎜ほど、Megadytes (Bifurcitus) ducalis Sharp, 1882は47㎜もあるそうだ。ナミゲンの最大が図鑑によると42㎜。

どうでも良いことだが、「The return of the Duke」のタイトルは、LORの「The Return of the King」を意識したりしてないのだろうか。だったら嬉しいな。でもこのゲンゴロウとLORとの接点が全く見つからないから違うのかも。

コメツキの世界の属のリスト1

Kundrata R, Kubaczkova M, Prosvirov AS, Douglas HB, Fojtikova A, Costa C, Bousquet Y, Alonso-Zarazaga MA, Bouchard P (2019) World catalogue of the genus-group names in Elateridae (Insecta, Coleoptera). Part I: Agrypninae, Campyloxeninae, Hemiopinae, Lissominae, Oestodinae, Parablacinae, Physodactylinae, Pityobiinae, Subprotelaterinae, Tetralobinae. ZooKeys 839: 83–154. https://doi.org/10.3897/zookeys.839.33279

2新属と多くの新結合を示している。日本産種に関する変更は不明。

中国のGrouvellinus4新種

DONGJU BIAN, MANFRED A. JÄCH (2019) Revision of the species Grouvellinus Champion, 1923 (Coleoptera: Elmidae) with long median pronotal carina, including descriptions of four new species from China. Zootaxa, 4586(1): 127–140. 

別刷り請求中。

実習

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査読を返す。体裁がかなり粗く内容はともかく、そのことだけでモチベーションが削がれた。リジェクトに近いメジャー。再度チェックはしたくなかったが、エディターにお願いされ、再投稿の際にはまた見ることになりそう。

組合の仕事をお願いされ、引き受けることになった。面倒だが仕方ない。

午後は博物館実習。晴れて気持ちいい。キャンパス内をネットを持った学生達がどうどう闊歩したいるだけでも嬉しい。ジャコウアゲハの蛹がたくさんあった。

公募

家が狭く、子供たちの部屋のスペース確保で私物を片付けたり研究室に持ち込んでいたりしている。公募に出しまくっていた時の書類一式が出てきた。束にして20㎝ほど。そのまま捨ててしまっても良いのだが、記念にとスキャンして保管することにした。

どこに出したかははっきり覚えていないが、19敗したあとの20戦目で今の職場に移ることができた。19の中には、専門が違いすぎて今となってはどうしてこんなところに出したのだろうとか、現職の人を見るとあの人に決まって良かったよねとか、あの人だったら自分の方が適任だったのではとか、いろいろ思うところもある。いわゆる「お祈り」の手紙には応募者数が書かれているものもあり、かなりニッチな公募でも114人とか70人とか書かれているものもあった。いかに厳しいかわかる。最終選考や面接までいったものは数えるほどしかないが、そのうちのいくつかは、その当時、本当に移りたいと思っていたので落ちた時はショックも大きかった。

先週話題になったこのニュースにはショックを受けた。なぜこんなに優秀な人材が消耗されてしまったのだろう。大学の公募に20以上出して落ちたというところもショックだった。もう少し他の道を探すなど方法はなかったのだろうか。分野も違うし立場も違うので偉そうなことは言えないが。

「研究者は職業ではなく人生です.」と三中さんが書かれているが、分野にもよるし、どういうベクトルでどういう研究をしていきたいのかにもよるので一概には言えないけど、研究活動を続ける方法はいろいろあると思う。研究者としてどういうことがしたいのかを定期的に考えるべきかも知れない。そのうえで、どういう進路を目指すべきか、今の立場で何ができるのか、を客観的に問い直すことが重要だろう。