まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ムツスジアシナガゾウムシ

木村史明(2022)飛鳥地域で見つかったムツスジアシナガゾウムシ. 橿原市昆虫館研究報告, (1): 23-27.

ムツスジアシナガゾウムシMerus waltoni  (Bohemian, 1844)は、昔に日本からも記録されたことがあるが分布は疑問視されていた。分布地は東南アジアに広くいる。2017年から奈良県の特定地域で発生していて、クズやサツマイモが食害されている。平成29年には特殊報もだされていた。

フィールド

ため池調査で離島へ。バス天国でつまらない池。調査終了後にPHへ。4つ廻る。イノシシだらけのところだった。今日PHしたうちの1つはYAMAPに登頂記録がない山だったが、やはり斜面は急だし見晴らしもないというちょっと魅力がない山だった。

北海道にいたころ、とてつもなく奥地で自然環境が異様に残っている山塊で調査する機会があった。大径木もたくさんあってヒグマもクマタカもバンバン出るようなそんなところ。人工物は当然なく、前人未到というのはこういうところかも、と思いながら調査していた。踏み跡もないないコダマが出てきそうな尾根を踏査していたら、コーラの缶が落ちていてしこたま驚いた。あとで知ったことだが、この地域は戦前に皆伐されるほど人の手が入り、いま嫌味なほどに環境が良いのはその頃から回復した結果だというのだ(コーラの缶はその後に誰かが入った痕跡だけど)。このことを知って以来、少なくとも日本の国土内では人の手が加わっていない”原始な自然”は残っていないし前人未到な地というのは幻に過ぎないと思うようになった。

ヨーロッパのPyrochroa

Molfini, M., Mancini, E., & Bologna, M. A. (2022). Phylogeny of European Pyrochroa (Coleoptera, Pyrochroidae) reveals cryptic taxa and different glacial histories. Zoologica
Scripta, 00, 1–12. https://doi.org/10.1111/zsc.12569

分子系統解析の結果、隠ぺい種が発見され、スイスから新種 Pyrochroa bifoveata sp. n.を記載。内容には問題ないが、記載一式をsupporting fileに突っ込んで、かつそれらがワードファイルというのは、命名規約的にOKなんだろうか?いや、論文自体はZooBankにも登録されているし問題ないのだろうけど、どうしてもこのやり方が嫌い。

Geodromicus

A.V. SHAVRIN (2022) The plagiatus species group of the genus Geodromicus Redtenbacher, 1857 (Insecta: Coleoptera: Staphylinidae: Omaliinae), and additional data on some species from Japan. Zootaxa 5188 (5): 401–429.

Geodromicus属のplagiatus種群の再検討。旧北区で8種を認めている。また、日本の”strongly sclerotized flagellum”の4種について2つの種群を認め、2つの新参シノニムも示している。

・aokii種群

  アオキミズギワヨツメハネカクシG. aokii (Watanabe, 1972)

  ホソミズギワヨツメハネカクシG. sprius (Watanabe, 1990)

・sinuatus種群

  クロツヤミズギワヨツメハネカクシG. sinuatus (Sharp, 1889)

   (= ワタナベミズギワヨツメハネカクシG. watanabei Hayashi, 2018)

  ミヤマミズギワヨツメハネカクシG. suensoni Bernhauer, 1936

   (= タカバミズギワヨツメハネカクシG. takabai Hayashi, 2018)

週末登山部

学生たちに声をかけたら藤元君が行くとのことで、2人で石鎚山へ。だれも手が挙がらなかったら厳しいところを攻めようかと思っていたが、初心者が同行するので土小屋経由で石鎚山本体のみを登った。登山者が多く、頂上は混んでいた。先日の台風の影響で足元が酷い状況だったが、藤元君は難なく登っていた。成果はほとんどなし。でも気持ちよかった。

帰りに山岳博物館でいろいろ情報を入手し夕方には戻る。