今回の隠岐の調査は、クロコブセスジダルマガムシの分布を確認することが目的だった。
島根半島からはイズモコブが知られ、山口県と韓国からはそれぞれ別の近似種が分布するものの、隠岐からは見つかっていなかった。見つければ新種の可能性が高いし少なくとも新記録だ。私自身や林さんがこれまでも何度か探しているが、環境は良さそうなのに見つけることが出来ていなかった。
松田(2018)というすごい報告が出て、実はこの仲間は一年中成虫が見られ、春が確認しやすい時期だということが判った。夏は岩の隙間などに隠れているようであまり見つからないようだ。秋も春ほどではないが、そこそこ確認されている。この報告は神からの啓示だと思った。
そこで考えたこととして、隠岐で確認されていないのは、夏の調査が多かったからではないか、そもそもファウナ調査の片手間で調査しているはずだからメインターゲットにすれば見つかるのではないか。そこで、これまで見つかっていなかったのは、調査精度と時期が理由だと仮説をたて、調査を行った。本当は春に調査したかったが忙しくて行けなかった。
で、撃沈。仮説検証ならず。
能天気にも本気で見つかると思っていたのでダメージ大きい。隠岐の次は対馬かな、などと考えていた。
隠岐には生息適地と思われる良好な磯がたくさんあり、分布しない理由が判らない。でも自分には無理だ。ぜひ、かの神に調査してもらい分布するかどうかを明らかにしてもらいたい。いまの自分は役不足だったということだ。もう少し色々なところで経験を積みたい。