まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】「科学との正しい付き合い方 疑うことからはじめよう」 内田万理香 

副題に引かれて手に取ったが、思った以上に良い本であった。科学に特に興味がない(興味が薄い)人たちをターゲットに科学とは特別なものではないということを著者は説いているが、私は科学に興味がある人に特に読んでもらい、科学の“宗教的”“オタク”側面を十分理解し、“一般的”尺度で物事を語れるようになって欲しいと思った。自分も当然出来ていないので、アウトリーチの仕方を今後は今まで以上に気をつけようと強く思った。
著者も述べているように「疑ってかかること」は、科学では基本的なこと。学部生など見ていると、なぜそうも信じ込んでしまうのだ、と思ってしまう場面が多い。時々鎌をかけてみたりもするがこちらの思惑通りに騙されてくれる。これは科学的思考に慣れていないからだと思う。さすがにドクターまで行くと、人生の酸いも甘いも知ったのか、疑うことを知っているように思う。
イムリーな話題として事業仕分けの話が出ていたが、それを受けての会見の様子に私もある種の異様さを感じた方だったので、よくぞ言った、と拍手。