まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】昆虫の交尾は、味わい深い…。

上村佳孝「昆虫の交尾は、味わい深い…。」(岩波科学ライブラリー)
まずはイグ・ノーベル賞の授賞おめでとうございます。そして、この本はその授賞研究の優しい解説書として書かれたような内容だ。肝心のトリカヘチャタテは4ページしか触れられていないが。
とても判り易く、面白く書かれた本で、タイトルはともかく、いろんな人にお勧めの本。本文内でも書かれているが、昆虫の交尾について全てを網羅している訳ではなく、著者が興味持っているところを体験談などを含めつつ解説している。著者が知り合いなだけに、各所でクスッとさせられる。
本書の巻頭に6種の昆虫の交尾器が図示されている。それぞれどの種の交尾器なのか、というクイズになっている。交尾器好きの私は全問正解だった(選択問題でなかったら無理だったけど)。あと、巻末には袋とじもついている。なるほどだから袋とじにしたのか、という内容だった。
コラムの「そこまでするか!ゲニタリ屋」には声を出して笑わされた。
一般書という位置づけだから仕方ないのかも知れないが、やはり引用文献リストが欲しかった。