まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】 理系のための研究生活ガイド 第2版 坪田一男

1997年に出版された前版が大幅に改訂された。10数年の科学の進歩や研究生活を取り巻く環境の変化を取り入れ、現代版に書き換えられている。ざっと読んだ感じでは、前版の方が私の心にはストレートに響いたが、私を取り巻く環境も変化したからであろう。この第2版もとにかくお勧めの本であることは間違いない。著者は研究者の卵を読者層に据えているが、研究者を目指していない学生にも読んでもらいたいし、どのような状況下の人にとってもこの著者のポジティブシンキングから得られることは何かしらあると思う。初版とこの2版を読み比べてみると、著者の心境変化や研究者を取り巻く環境の変化も見えて面白い。
私はちょうど1997年に修士過程を修了し、就職は決まっていたものの研究への夢は捨てきれず、そんな時に出版されたばかりのこの本に書店で偶然に出会った。本当にラッキーだったと思う。紆余曲折あったが、いろいろな人や本、虫との出会いにも後押しされ、研究を続けることが出来ている。この本の影響はかなり大きかった。
手垢がついてだいぶん黄ばんだ初版と新しい2版を並べてみると何とも感慨深い。