まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

Thinodromus

Makranczy, G. (2016) Typological problems in East Palaearctic Thinodromus Kraatz, 1857 (Coleoptera: Staphylinidae: Oxytelinae). Koleopterologische Rundschau, 86: 156-169.
ユミセミハネカクシ属のうちタイプの問題がありそうなものを再検討している。図も丁寧でとても良さそうな論文。だけど・・・・
アカアシユミセミハネカクシT. deceptor (Sharp, 1889)は、レクトタイプ指定にかかる問題を指摘しつつ、コバネユミセミハネカクシT. proprius Gildenkov, 2003をシノニムで消している。
T. eminens Sharp, 1889は、ユミセミハネカクシT. sericatus (Sharp, 1889)のシノニムとされているが、Gildenkov (2000)が前種のホロタイプとした標本が本来のホロタイプではなく違う標本を認識しておりホロタイプは消失しているだろうから前者のネオタイプを選定し、Gildenkov (2000)が前種のホロタイプとした標本を”rejected holotype”としている。加えてシンニセユミセミハネカクシT. pseudoeminens Gildenkov, 2003をT. eminens Sharp, 1889のシノニムとしている。この措置が妥当かどうか、やり方が適切かどうかは判断できないが、ちょっと怪しい気がする・・・・
とにかく、Gildenkov (2000, 2003)を叩きまくっていて、これらが本当に粗くてダメな論文なのかも知れないけど本著者と何かあったのかと疑いたくなる。読んでもすっきりしなかった。