すごい発見をした。久しぶりに興奮した。
昨日、ある方から図鑑に掲載されていない日本産のカッコいい顕著な甲虫の問い合わせが来た。調べて、ある科のある亜科だと思うが、判らないから教えて欲しいと、写真が送られてきたのだ。科は当たっていたし、自身でも調べたところが素晴らしい。で、卓球の玉でも打ち返すがごとく瞬時に返答した。実は自分も以前に調べてみたいと文献探索したことがあったので、写真を見ただけですぐに同定できたのだ。しかしこの種はタイプ標本が行方不明だし、何より原記載論文が日本語で書かれていてそれすら入手困難。だから調べたくても手も足も出ない状態なのだ。
今日、ミュージアムに保管されている古い資料を整理していたところ、なんとその原記載を見つけてしまった。こんなところにあったとは！短い文章に標本データと写真が付いているだけで原記載とは言いがたいものだが、これが記載になってしまったのだから仕方がない。でも日本人が再記載するなりしないといけないだろう。
うちには基準産地とは違う産地の標本があることは知っていた。東南アジアの標本はどれくらいあるのだろう、と見ていたら、手書きのラベルの標本が。あれ？これはー
ホロタイプの標本だった。タイプラベルは付いていないしデータも原記載と微妙に違うが、展脚の具合などを見ても間違いない。マジか、こんなところにあったのか！
自分で論文を書かなければならないかな。でも専門の分類群ではないんだよなー
（2021.10.13追記）ちゃんと論文化した。
Yoshitomi, H., 2021. Redescription of Melalgus japonicus Chûjô (Coleoptera: Bostrichidae: Polycaoninae). Japanese Journal of systematic Entomology, 27(1): 69-72.
