まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

「ボクは坊さん。」

衣山でやっと見てきた。本の感想はこれ
主人公に感情移入するのは難しいが、それでも引き込まれた。脇役の人たちが素晴らしい。本の方が丁寧に説明されており、それを90分に凝縮させるために映画では細かいところを省略しているので、本で予習しておく私の作戦は成功だった。で、ストーリーを知っているにも関わらず思わずほろりと泣いてしまった。後ろの席のおじさんも泣いていたしその後ろくらいに座っていた女性も泣いていた。とても良かった。ときどきクスッとさせるところもあるが、それを一切無くすと本当に硬く悲しいお話になってしまうし、そればっかりだとコメディーになってしまうので、そのバランスがよかった。本当にお勧めの映画。続編もあるのかな。
が、この映画には1つだけ不満足なところがあった。それは季節感が無いところ。ストーリーでは最初の場面から最後までは2,3年が経過することになっていると思うが、全く季節が変わらない。いつも主人公は落ち葉掻きしているし、新緑も水田も暑さも無い。桜も蓮華もセミもツバメも無い。秋から初冬にロケして仕方ないのだろうが、これだけは全く頂けない。何とかして欲しかった。せっかくの田舎の景色も残念だ(いや美しい田舎の景色が出てくるけど季節感が無い)。
週末の学会では、ここで書けないような残念な嫌な話をいくつか耳にした。今日もそれを引きずるようなことがあり、心を痛めていた。この映画を見て何となく心が軽くなった。
「起きることを生と名付け、帰るを死と称す」