まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

大学院を出る意味

一般企業のサラリーマンだった頃、学部卒の人と院卒の人とで違うなあ、と感じていたことがある。それは時間の使い方である。
学部卒の人は、仕事を出来るところからコツコツやるのに対し、院卒の人は仕事の全体量と〆切りを勘案してまずは計画を立ててから取り組む傾向があったように思う。最終的に成果が出れば同じだろうと思うかも知れないが、両者は全く違う。なぜなら前者は出来ることしか出来ないし、何より自分があとどれ位仕事を詰め込むことが出来るかを把握出来ていないのである。
院卒は、卒論、修論、博論といった〆切りのある膨大な作業を効率的に纏め終えるために、在学中に計画性を身につける訓練を積んでいると思う。加えて在学中に学術論文を出している人はより鍛えられているだろう。学部卒は卒論を出すだけだし、学科によっては卒論すらないと言うから、身につくはずもない。
しかし、やはり個人差はあるし、学部卒の人でも社会に揉まれているうちに計画性をもって行動出来るようにはなってくる。
ある博士学生に、博士論文を取り纏める計画を出しなさい、と言ったら、毎日出来ることをやるだけです、と切り返されて絶句した一方で、こちらが何も言わなくてもしっかり計画を立てられる学生もいた。最終的に論文は、やはりこちらが想像していた通りとなった。