エサキアメンボとの初めての出会いは、高校生になりたての頃だった。栃木県博の佐藤さんにこんなアメンボがいるんだよ、と標本を見せて頂き、生息地はスゲの覆うところだと聞いて、そのキーワードだけでピンときた近くの河川敷に採集に行き見事に出会うことができた。見つけた瞬間にその美しい銀色に心打たれた。標本を一度しか見ていないのにすぐに本種だと分かった。今思えば、本種に最初に出会った場所は本種の生息環境としては、少し異質の場所であった。
その後も様々な場所で本種と出会い、本種の生息場所を見つけるのは得意だと自負していたが、大学生の頃にアメンボの分布調査を行っていた愛知県からは、ついに生息場所を見つけることが出来なかった。後年に、木曽川の河川敷における生息地の記録が公表された時にはショックだった。なぜならここは自分も当たりをつけて何度も探しに行った場所だったからだ。
飼育も行った。飼育が苦手な私ですら、意外に簡単に飼育することができた。こんなに順応性があるのになぜRDBに入っているのだろうというのが、その頃からの疑問として残っている。
