まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

珍品

生き物屋は珍しい種のことを「珍品」と呼ぶ。(1)もともと生息数が少ない種、(2)生態が判っていないために観察・採集が難しい種、(3)生息環境が特殊すぎて観察・採集が容易ではない種、などが「珍品」と呼ばれることが多い。
私にとってM(仮称)もそういう種であった。身近ではH君が数頭採集している以外は、友人のN君が1頭採集したことしか知らない。「研究のため」という魔法の呪文を唱え、標本を貰おうか、などとも思っていた。Mは幼生期も判明しているのでそんなに生息数が少ない種ではないだろう。もしかしたら高速で高空を飛翔していて見つけにくいのかも、それとも出現時期が変わっているのかも、そんなことを考えながら、昨夜はフィールドの山道を歩いていた。カブトムシは多いものの、1時間ほど歩いても成果なし。樹液に来ているカブトムシを観察していたら地上近くをふわふわ飛ぶウスバを見つけ、本日1頭目はコカスリかそれともウスバか、などと思って掬ってみると
(採れちゃった、あんまりこういう写真は好きではないけど思わず撮る)
今年2番目の感動。
嬉しくて嬉しくて。でも飛び方も採れたところも何の変哲もないところであった。もともと生息数が少ないのだろうか。
その後に山道で出会った男2人で夜景を見に来たという不審なうちの学生(I君とH君)に余計な詮索はせず、山を降りて家で祝杯をあげたのは言うまでもない。