まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

タマムシモドキの幼虫

A. A. Zaitsev & A. V. Kompantsev (2018) Description of the Larva of Monomma resinorum Hope 1842 (Coleoptera, Zopheridae), with Remarks on the Composition of the Family. Zoologicheskiĭ zhurnal, 97(11): 1374–1393.

見逃していた。偶然見つけた2年前の論文。インドのMonomma resinorumの幼虫を記載している。

アトコブゴミムシダマシ科Zopheridaeは、Ślipiński & Lawrence (1999)以降、ホソカタムシ科Colydiidaeやタマムシモドキ科Monommatidaeなどを含んだ科として扱われてきた。

本論文の中で、幼虫形態を根拠にZopherinaeの1族とされたタマムシモドキ科を独立科として扱っている。Zopheridaeの1亜科とされる狭義ホソカタムシも従来の独立科Colydiidaeとしている。加えてPycnomeriniもŚlipiński & Lawrence (1999)によりColydiidaeからZopherinaeに移されたが、Colydiidaeに戻している。つまりは日本人に判り易く説明すると、原色の分類体系にそのまま戻ったと言えるだろう。

ただし、Usechusの系統位置が不明だったり未だはっきりしないところもある。この辺のグループは苦手なので、今回の論文の妥当性が判断できない。だれか詳しい人が解説してくれないかな。もしくは何か教科書的な書籍や論文で扱われればそれに従うのだけど。この著者らの幼虫の詳細な論文はこれまでも高く評価されてきているので、本論文の内容も妥当な気がする。

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タマムシモドキMonomma glyphysternum Marseul, 1876 @台湾