まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

クチビルテントウ族の系統

W. Li, P. Łączyński, H.E. Escalona, J. Eberle, L. Huo, X. Chen, W. Huang, B. Chen, D. Ahrens, A. Ślipiński, W. Tomaszewska & X. Wang (2019) Combined molecular and morphological data provide insights into the evolution and classification of Chilocorini ladybirds (Coleoptera: Coccinellidae). Systematic Entomology, early view. DOI: 10.1111/syen.12409

 形態形質と分子を用いて系統解析を行っている。細かいところは両者で違うところもあるが、本族が2つのクレードに大きく分かれるところなどは一致している。そのうちの一方のクレードはChilocorus属の中にいくつかの属ががっつり入り込んでしまい、それらを新参異名としている(Anisorcus Crotch, Egius Mulsant, Phaenochilus Weise and Simmondsius Ahmad & Ghani)。また、Chilocorellus属はChilocoriniではなかった。

で、日本産については、ミカドテントウがSasaji (2005)によりPhanochilusに入れられていたが属が新参異名となったためChilocorus属となった。もともとLewisはこの属の下で記載していたので、元に戻った形。日本産ではあとは変更ないようだ。

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ミカドテントウ