まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】動物遺物学の世界にようこそ!〜獣毛・羽根・鳥骨編〜 里の生き物研究会

出ていたのは知っていたが、購入に躊躇していた。古本屋で少し安くなっていたので思わずポチっと買ってしまう。よくよく考えるとそんなに安くなっていないのだが、ネットは恐ろしい。
少し前に民間の宇宙開発会社の宇宙船が打ち上げ・宇宙ステーションとのドッキング・帰還に成功したニュースをやっており、古い技術でも安全なものは安全という話があった。古い技術だと何か良くないと思いがちだが、古くても確かなものは確かなのだ。
本書を見て、その話とダブった。本書はフィールド調査などで出会う獣毛・羽根・鳥骨に着目してその同定を試みるための指南書である。近年ではそれらの遺物はDNA鑑定により同定されることが多く、それはそれで正しいのだが、古くても確かな技術が今後も見直される場面が多いはず。そしてその限界も知っておくべきで、本書はそういったものをいろいろな切り口で見ている。本書はこれを読んで勉強するのではなく、これをたたき台として自ら収集・勉強していく類のものである。自分も中断していた鳥の羽根やペリット集めを再開したくなった。