まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】 「人を見抜く技術」 「負けない技術」 講談社α新書 桜井章一

行きの機内で前者を、滞在中と帰りの機内で後者を読了。学生の頃に麻雀にはまっていた私には、著者の名前が懐かしく思わず書店で目にしたので手に取った。
前者は、人の癖や行動の理由を独特の目線で見抜いている。
後者は、前者よりも面白かった。「勝つこと」ではなく「負けないこと」の強さを強調しているが、その視点はやはり独特で引き付けられるものがある。
簡単な文章で判りやすく、独特の視点が面白い。文章はお世辞にも上手とは言えないが、語るようなその文体はそれはそれで味があると感じた。
麻雀という、どちらかというと姑息な手段が有効になりそうなゲームにおいても、真面目に生きることの強さが存在し、それが王道であることを書いているのは何とも小気味良く清々しいし、それを一般社会に準えるのは麻雀を知らない人間にも理解しやすいと思う。著者は書の中では認めていないが、特に後者はちょっと弱気になったときに読むのにちょうど良い啓発書だと私は思った。