まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

テキサスから地下性ヒメドロ3新種

Cheryl B. Barr, J. Randy Gibson and Peter H. Diaz (2015) Typhloelmis Barr (Coleoptera: Elmidae: Elminae), a New Stygobiontic Riffle Beetle Genus with Three New Species from Texas, USA. The Coleopterists Bulletin, 69(4): 531–558.
Edwards aquiferエドワード帯水層とでも訳すのか?)から新属Typhloelmis Barrの基に3新種を記載。長細いゴトウミゾドロのような雰囲気の虫。
この論文の面白いところは、サンプリング方法。てっきり井戸か何かを掘って採るのかと思いきや、”drift net”とハンカチサイズの”cotton cloth lure”の2種の採集方法を試みている。前者はまさに吹き流しのような作りで、泉の吹き出しに設置し2,3日の設置期間で12〜24時間おきにチェックしている。後者は泉に設置しておくと表面にbiofilmなどが付着し、それをターゲットの昆虫が食べにくることを想定したもので、4〜6週間放置したものを使用している。結果として前者では38成虫9幼虫を採集したが、後者では1成虫(ただし死骸)が得られたのみであった。
”drift net”の方は論文内に写真が出ているが、日本でも使えそうな感じのもので、これをいろんなところに仕掛ければ今まで知られていない地下性ヒメドロムシが得られるかも知れない。
世界中で知られている地下性ヒメドロムシの簡単なレビューも行っている。