Jun Souma (2022) Integrative taxonomy of the Lauraceae-feeding species of the genus Stephanitis (Hemiptera, Heteroptera, Tingidae) from Japan. Dtsch. Entomol. Z., 69 (2): 219–281. DOI 10.3897/dez.69.89864
5000個体を超える標本を基に分子系統解析も含め総合的に再検討している。すごい。
3新種を含む10種が認められた。丁寧でよい論文。ホストに学名だけでなく和名を付けてくれるの親切で良い。分布図も都道府県別に示されていて判りやすい。
同じホストを利用しながら同所的に複数生息しよく似た形態を持っているという、ちょっと自分には手が負えないグループだな。シキミについてるのってシキミグンバイだけだと思っていたら、トサカグンバイもつくということを知ったし、シキミグンバイはこの論文では扱っていない同属で独立種(クスノキ科をホストとしないから)という、何とも奥が深いというか闇が深いというか。
扱っている種をリストアップしてみた。某所のハマビワにグンバイが付いていた気がする!でも採集していない。来年は採りに行こう。
ヤマコバシグンバイS. (Stephanitis) ambigua Horváth, 1912 本州、四国、九州 ホスト:ヤマコバシ、ダンコウバイ、シロモジ
タブグンバイS. (Norba) aperta Horváth, 1912 本州~琉球 ホスト:クスノキ、タブ、ミミズバイ
ヒメタブグンバイS. (N.) exigua Horváth, 1912 琉球 ホスト:クスノキ、タブ、ヤブニッケイ
ハヤシグンバイS. (N.) hayashii sp. nov. 琉球 ホスト:ヤブニッケイ、ハマビワ
ヒウラグンバイS. (N.) hiurai Takeya, 1963 琉球 ホスト:タブ、ハイノキ(?)
イシカワグンバイS. (N.) ishikawai sp. nov. 琉球 ホスト:クスノキ、タブ、ハマビワ
ヤブニッケイグンバイS. (N.) mendica Horváth, 1912 本州~琉球 ホスト:ヤブニッケイ
クスグンバイS. (S.) tabidula Horváth, 1912(= S. (S.) fasciicarina Takeya, 1931) 本州~琉球 ホスト:クスノキ、ヤブニッケイ、シロダモ、ホソバタブ、タブ、
トサカグンバイS. (S.) takeyai Drake & Maa, 1955 本州~琉球 ホスト:トチノキ、ヤマザクラ、クスノキ、カキ、ホツツジ、イワガラミ、シキミ、ダンコウバイ、アブラチャン、シロモジ、アオモジ、クロモジ、ケクロモジ、ネジキ、タブノキ、アセビ、スズカケノキ、ウシコロシ、ホンシャクナゲ、ヤナギ、エゴノキ
トモクニグンバイS. (S.) tomokunii sp. nov. 伊豆諸島 ホスト:タブ