まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ヤマトタマムシの成虫の後食に関する論文

ちょっと訳ありで調べる。ヤマトタマムシの成虫は飼育下では後食せずに4〜5日で死んでしまうことが多く(佐藤,2004)、飼育のコツがいるようである。佐藤(2004)は透明な細い筒の内壁にエノキの葉を巻くように敷き詰め筒の蓋もエノキの葉を詰める方法を考案した。半強制的な方法で摂食を促すことができるというもの。三枝(1995)と木村(2000)によると飼育容器の蓋の部分にもエノキの葉が届くように配置しておけば摂食するとのことである。そうでないと一切摂食しないという。木村(2000)によると成虫はエノキとケヤキしか後食せず、特にエノキを好んで食べるとのことである。
ちなみにHan et al. (2012)は、このグループの分子系統解析を行い、その結果に基づいて分類学的措置を行っている。ヤマトタマムシは日本特産(本州〜種子島)で、琉球産や海外産はそれぞれ別種として扱われている。ちょっとこれはほんまかいなという感じ。
 
<文献>
佐藤隆夫(2004)ヤマトタマムシ成虫の飼育下の餌づけ法.月刊むし,(406):37.
木村欣二(2000)表紙説明今月の虫ヤマトタマムシ.インセクタリウム,37:236.
三枝博幸(1995)タマムシはどうやって飼ったらよいのですか?インセクタリウム,32:99.
T. HAN, T. KANG, J. JEONG, Y. LEE, H. CHUNG, S. PARK, S. LEE, K. KIM and H. PARK (2012) Pseudocryptic speciation of Chrysochroa fulgidissima (Coleoptera: Buprestidae) with two new species from Korea, China and Vietnam. Zoological Journal of the Linnean Society, 2012, 164, 71–98.