まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】 読書とは何か

三中信宏(2022)読書とは何か : 知を捕らえる15の技術.296pp., 河出新書

最近の寝る前の読書本として読んでいた。読書は「狩りだ」、と帯にあってびくびくしていたが、最後まで読むと本に対する偏愛が語られていて優しい本で安心した。著者の心の琴線に触れる本や語りたい本を自慢したい・引用したいという気持ちが各所に表れていてそんな書籍が書影として出てくる。私も良い本に出合うと、どこかで引用したいなという気持ちが最近はある。書影で出てくるもののうち、2冊だけは自分の本棚にもあってそのうち1冊は自分にもヒットしたものだった。

大著を翻訳するのに章ごとに切り分けて持ち運んだという経験が書いてあり、本への愛を語っていたのに、と驚いたが、別に保存用も買っていたことも付記していて笑った。が、考えてみたら自分も利用するためにばらした本について保存用も確保していた経験があるので人のことを笑えない。

著者が言うように本って一期一会だと思う。人生の節目で引っ越しする際に物理的に減らす目的で本(といっても私の場合はほとんど図鑑だが)を古本屋に売ったことが何度かある。あとで後悔し買い直したいと思っているものもあるが、全然入手できない。旅先で見つけた地元出版の図鑑などはどうせ使わないかなと思い購入しないことも多いが、ときたま購入して手元に置いておくと後で役立つこともある。ということで迷ったら買え、というよりも迷わず買え、という方が正解なのだろうな。

本書に出てきたある本の存在は知らなかったのでさっそくポチッた。