Kumari S.A., Moseyko A.G., Strother M.S. & Prathapan K.D. (2020) Neofidia Strother, a new name for Fidia Baly, 1863 and redescription of Fidia kanaraensis (Jacoby, 1895) with a new host record and notes on natural history (Coleoptera, Chrysomelidae, Eumolpinae). European Journal of Taxonomy 654: 1–25. https://doi.org/10.5852/ejt.2020.654
サルハムシの属、Fidia Baly, 1863（nec Fidia Motschulsky, 1861）に対して、新名Neofidia Strother nom. nov.を与えている。Neofidia属は中央～北アメリカの属とのこと。ここまでならPDFをそっと閉じるところだが、アジアに分布するFidia属の種のリストを付けて、そこで多くの新結合を示していた。日本産はLypesthes属とされていた種がFidia属とされている。
Fidia Baly, 1863と Lypesthes Baly, 1863がシノニム関係にあることが明白で、その上で前者がFidia Motschulsky, 1860 [1861]のホモニム関係であった。そのことからStrother et al. (2007)は現在の属の定義を使用、つまりアジア産にはLypesthesを充て、中央～北アメリカ産にはFidiaを充てることをICZNに意見した。しかしICZN (2009)はこの意見を棄却した（オリジナルを読んでいないので本論文のシノニムリストから読み解く限り）。そのような経緯があって、今回やっと正式にFidia属の定義がなされたわけである。
リンゴコフキハムシ Fidia atra Motschulsky, 1861
セアカケブカサルハムシ Fidia fulva (Baly, 1878) comb. nov.
スギケブカサルハムシ Fidia itoi (Chûjô, 1954) comb. nov.
ニホンケブカサルハムシ Fidia japonica (Ohno, 1958) comb. nov.
セスジケブカサルハムシ Fidia kiiensis (Ohno, 1958) comb. nov.
ケブカサルハムシ Fidia lewisi (Baly, 1878) comb. nov.
リンゴコフキハムシ。Fidia属のタイプ種。
