まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

日常

朝一で標本室。用事を済ませた後に標本調査。昨日調べて検索表を作成したグループの標本を検討。体長はそんなに大きくないけど斑紋が顕著なので顕微鏡を覗かずに判るはず。その科の入った標本箱にそのグループは小さなユニットボックス5個、つまり5種に分けられていた。2つは検索表ですぐに種名が判り種名のメモを付けておく。検索表使えるじゃん。自画自賛。残り3つは斑紋だけでは判らない。ということは未記載種だろうか。雰囲気もちょっと違う。顕微鏡を覗く。あれ、何か違う。と思ったら、残りの3つは違う科の種であった。それも3科。笑ってしまった。確かに似ているよな。それもそれぞれ全部別の科というのがすごい。触角や脚を見ると簡単に区別できるのだけど、簡易なソーティングだとやはり似ているので混乱してしまうのだ。自分を含め歴代のうちの研究室の甲虫屋が気付いた時にソーティングしていて間違いが蓄積されたのだろう。

世界に9種いて、うちには2種しか所蔵が無いのか。ちょっと論文化には厳しそう。面白い系統位置の面白いグループだし最近の分類学的研究もほとんどないし、カラー写真もほとんど出てこないので研究する意味はあると思うのだけど。検索表作ってみましたというのだけでは弱いし。論文化するかも知れないので、いちおう科の名前などは伏せておく。このグループは幼虫が未記載ということを昨日知った。狙って採ってみたいものだ。

午後からは取材対応や授業準備など。ふと午前中のグループを自分でも採集している記憶が蘇り写真を見直してみるとやはり記憶通りのところで見つけていて生態写真があった。標本はどうしたのだろう。おそらく標本化していないだろうと思い、タトウとバイアルをひっくり返してみるとバイアルの中で見つけた!これで3/9。残り6種は国内にも標本は無いのだろうな。珍品だしマイナーな科だし。あるとすれば九大かな。

f:id:yoshitomushi:20200525224854j:plainよりによってこの1枚しか写真が無い。もう少し真面目に撮影しておけばよかった。この日は天候も悪くて気分が乗らなかったけど後で考えると面白いものがいろいろ採れていた。

夜は編集作業。