まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

42年間の歴史に幕

Ent. Basil.の35巻が届いた。ラオスの甲虫相IIということで、分厚いハードカバーの冊子。
同封されていた手紙を見て驚いた。本冊子を持ってEnt. Basil.の発行を止めるとのこと。1975年から42年間、だいたい毎年発行していたが、長年編集に携わっていたBrancucciが亡くなった前後から隔年発行になっていた。甲虫関係の論文が多く掲載され、中にはかなり重要な大部の論文が掲載されたりもした。無くなるのはちょっと寂しい。
欧米の自然史博物館などは自分の機関の紀要(Bulletin)を出して、それを交換材料として他館の紀要やいろいろな雑誌を入手していた。しかしそうやって冊子を交換する文化が廃れはじめ、加えてそのようなBulletinに投稿しても業績をして認められなくなりつつなってきた。一部の雑誌は大手出版社から出版されるようになって博物館のBulletinではなくなってしまったり、Ent.Basil.のように発行をやめてしまったりオンラインでのみの発行にしてしまったりしている。そういった物理的な理由以外に、雑誌を編集する人材が不足しているということもあるかも知れない。以前に比べ研究者にはいろいろ求められることが多く忙しく、若手研究者はそういった雑用から手を引きつつある。時代の流れだから仕方ないのだろうけど、もう少し踏ん張ったら良いのに、と思う。