まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

Costello & al. (2013)への反論

Hołyński, R. B. (2013) Have most species already been, or will they never be discovered? (are optimists or pessimists realists?). Genus, 24(3-4): 261-273.
(12/25追記)斜め読みした。Costello & al. (2013)も読んだのだが、どちらにも一理あり、どちらが間違っているというものではないように思う。この論文もCostello & al. (2013)を全否定している訳ではなく、taxonomistも頑張っているのだということと種の記載スピードが遅くなっている訳ではないという主張とを繰り返していた。副題にあるように感情論になっていると感じた。このような地球上の生物種数やその解明率にかかる論文は好きで読むが、勉強不足なのかどれも決定打に欠ける気がする。なんでだろう?
私も種を記載する仕事をしている訳だが、近い将来、世界中の生物種全てが記載されることを夢見るほどロマンチストではない。到底無理だろうと思っている。しかし悲観している訳でもなく、だからと言って未記載種が絶滅している現状を楽観視している訳でもない。Taxonomistは種を記載していくべきだし、地道な仕事でしか成しえないこともあると思う。あえて言えば自分は建設的な楽観主義者(constructive optimists)でいたいと思った。
昨日、ある調べ物をしていたら、1998年に84歳で亡くなったジョウカイモドキなどの分類学者だったDr. W. Wittmerが生涯に3465種の新種を記載したと知った。数字の問題ではないし、これ以上多くの新種を記載した人も知っているが、素直に凄いなぁと思った。現在、バリバリに新種の記載をしている分類学者ではこんなに新種を記載した人は居ないのではないかな?