まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】 日本の鱗翅類-系統と多様性

図鑑を見て泣いたことが、あなたはありますか?
この本を見て、あまりの素晴らしさに感動して泣きそうになった。図の使用許可を取りまくり、惜しげもなく図を出しているその苦労は、この本をさらに素晴らしいものにしているし、第II部の上科の解説については圧巻。カウリコバネガやモグリコバネガ、ミナミコバネガの写真なんて滅多に見ることができないものだ。I部の形態についての解説も教科書として素晴らしい出来だと思う。こんな教科書を甲虫でも作れたらどんなに良いか、と考えずにいられない。
恩師二人、特に橋本さんが多くの頁を執筆されており、その活躍が嬉しかった。ベーサルな面白い分類群を研究テーマに選ばれているので、やはり目につきやすい。執筆には相当苦労されたと聞いている。
図鑑マニアには買い!の一冊。ただ高価。今年は標準蛾類図鑑も出るという噂だし、○○ムシ図鑑の3巻も出るという怪情報も流れているので、一体いくら書籍につぎ込めば良いだろうか。

追記
神保君もだいぶんいろいろ書かされており、苦労したことと思うが、とても良く書けていて活躍が嬉しい。日本産鱗翅目の推定種数を近隣諸国との比較に基づき7,000種と推定している。