まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】「理系のための「即効」卒業論文術」 中田亨

「理系のための「即効」卒業論文術」 中田亨 ブルーバックス 講談社 2010
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この本は、タイトルに偽りあり。「即効」とあるが即効性が無いものもあり、「卒業論文術」とあるが卒論以上に研究を進める上で参考になることもたくさん書いてある。ということで、卒論を簡単・素早くやっつけてしまおうと思って本書を手にとるとイマイチに感じるだろうが、研究に関するヒントを貰おうと思い読むといろいろ考えさせられる。私にとってはとてもためになった。とてもとてもお勧めの一冊。ぜひ進学を考えている学生には読んでもらいたい1冊。この本を読んで理解・実行し研究・論文執筆が出来る学生がいるとしたら、おそらく研究に向いていると思うので、研究者を志してみたらどうだろう。以下に、なるほど!と思ったところをメモしておく。
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分野にも拠るだろうが、著者は研究の具体的テーマ選択に際し3つの要件があるとして、「研究対象」、「勝利条件」、「解決方法」を挙げて、
 卒論・・・・全て指導教官が学生に与える
 修論・・・・解決方法は学生が自力で考える
 博論・・・・全て学生が自分で考える
べきだとしている。
 >確かにその通りかも知れない。果たしてうちの研究室ではどうだろうか、そうはなっていないな。
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・1つの研究室しか知らないのは良くなく、別の研究室や大学に修行の旅に出るべき。
 >その通り。
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・研究ノートをしっかりつけよ。
 >まったくその通りだと思う。うちの研究室の学生は全くつけていなかったので、赴任してすぐに何人かの学生には助言した。実行している学生もちらほらいるし、きちんと利用している学生は研究もきちんと出来ていると思う。
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・1日の始業時にToDoリストを作り終業時にどこまで進んだか反省せよ。ToDoリストに基づいて計画的に仕事を進めることは組織に属する者としての義務である。
 >これ、学生にまで言うのはどうかと思うが、極論、その通りだと思うし、サラリーマンになって初めて私はそれに気がつき、今でも実行している。
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・卒論巻末に付録(詳細な実験データ・プログラムのソースコード・機器の使い方のコツ等)を付けたら良い。
 >これはこの前、Y君にアドバイスしたばかり。付録付けたらカッコいいよ。
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