まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ICZN問題集

〜以下の措置の正誤について、理由もつけて答えよ〜
1.A種のholotypeが戦火によって焼失している。A種は顕著な普通種であり、その種と明らかに確定できる標本は得ることが出来ている。この種の属する属のレビジョンを纏めるに当たり、普通種であることからも種をはっきりさせる目的からもネオタイプを指定する必要がある。
2.ホロタイプはオス個体を選ぶべきであるが、無理な場合はメスでも良い。
3.Podabrus属にはainuという種が存在する。このとき、別の種のPodabrus honshuに亜種Podabrus honshu ainuを創設しても、種と亜種のランクが異なることから問題ない。
4.著しい性的二型を示す種については、記載時にホロタイプと反対の性であるアロタイプを極力指定した方が良い。
5.ある雑誌の同じ号に掲載された2編の論文に、それぞれ同じ種が新種として記載されていた場合、前のページに出ていたほうの種名を残すことになる。
6.Podabrus属にyoshitomiiという種がすでに記載されている場合、新たにP. yoshitomiorumという種名を記載しても全く問題ない。
7.ホロタイプが消失し、残されたパラタイプから基準標本を指定する場合、その標本はレクトタイプという。
8.1985年に出版されている「原色日本甲虫図鑑」内で初めて名称を与えられ、図示・記述されているものは、新種の記載論文として認められる。
9.ホロタイプは公的機関に保管先とすることが望ましいが、別に個人コレクションでも構わない。
10.ある種のパラタイプシリーズに2種が混じっており、その1方が新種であった場合、そのパラタイプシリーズを基に新種を記載することは問題ない。
11.シンタイプは良くないので、かならずレクトタイプの指定をすべきである。
12.ホロタイプは出来る限り解剖すべきではない。
13.1970年に記載されたPodabrus japonicus f. ehime は、亜種ehimeが記載されたと解釈する。
14.月刊むしで記載された新種は新種として認められるが、もし昆虫と自然で新種が記載された場合にはこれまで記載論文が掲載されていない経緯からも新種の記載論文は無効である。
15.パラタイプ標本のデータについては、別に論文中に全てを示す必要は無い。
16.ホロタイプを解剖して複数のプレパラート標本にした場合、ホロタイプラベルは1つに付けるべきである。
17.ホロタイプラベルの色は赤にすべきである。
18.パラタイプラベルの色は、ホロタイプラベルの色と違えば何色でも良い。
19.前世紀の標本で“TYPE”とだけラベルされている標本は、全てシンタイプとして扱われる。
20.命名者名はペンネームを用いてはいけない。
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名古屋の勉強会に行く某学生への訓練代りにやらせようと考えた。ちょっと答えが灰色っぽいものもあるかも。答えは後日。
いくつか設問を手伝ってくれた丸山君サンクス!