まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

愛媛県のシラウオ

稲葉正和(2019)理科室の宝物―学校収蔵標本から愛媛の自然を読み解く2―.愛媛の自然60(10):9-10.

2014年に愛媛県初記録としてシラウオが報告されたが、西条高等学校の理科室に保管されていた22尾のシラウオの標本を発掘したとのこと。ラベルから大正9年もしくは昭和9年に採集されたものとのこと。調べてみると、実は1931年の「愛媛県動物誌」にもシラウオが生息していることが書かれていたとのこと。

この報告は2つの掘り出しをしていて素晴らしい。1つは標本の発掘。もう1つは文献の探索。2014年の報告も結果的には初記録ではないがとても重要だ。その報告があったからこそ、今回の理科室の標本と古い文献の発掘に繋がったのだと思う。

”理科室に眠っている標本は、一見すると何の価値もない標本に見えます。しかし、その価値を調査・研究によって引き出していくのが、先人から「自然史標本」を引き継いだ研究者の使命なのです。”