まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

おじいちゃんの畑

娘の幼稚園バスが停まるすぐ横に大きな家があり、老夫婦が住んでいる。おそらくその周辺の地主で、周辺の田畑で農作業している姿もよく見かけた。いくつもの田畑を持っているようで、私は面識はなかったが、娘は顔を覚えてもらっていて、よく声をかけられた。
娘は幼稚園を卒園し、そのあたりに行くことも少なくなったが、先日通りかかったらほとんどの田畑が放置されていた。おじいちゃんが体を壊したらしいと、噂で聞いた。そのうちに、田畑だったところの半分くらいはあっという間に埋め立てられた。一ヶ所はコンビニ、もう一ヶ所はマンションがたつそうだと、こちらも噂で聞いた。
単なるノスタルジーでしかないし、自分も他から移り住んだよそ者だから、とやかく言える立場ではないが、ほんとうに寂しい。こちらに来てからまだ8年しか経っていないが、愛着のある田畑が無くなっていくのは、本当に辛い。カブトエビが採れる田んぼ、娘に玉ねぎやニンジンの葉を教えた畑、そんな思い出が一瞬で無くなってしまう。
ある日、残っている畑で、おばあさんが農作業していて、横には杖をついたおじいさんが立っていた。できるだけ長く元気でいてほしいと、心から思った。