まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

訃報

標茶町の飯島一雄さんが11月7日に亡くなったとのこと。88歳。心からご冥福をお祈りします。
飯島さんは、イイジマルリボシヤンマやエゾカオジロトンボの発見に関与されているので有名だが、北海道の道東地域の昆虫相解明に大きな功績をあげた方。晩年も精力的にファウナに関する資料を出されていた。
2005年にある業務のアドバイザーとしてアドバイスを貰いにご自宅に伺い初めてお会いした。それがきっかけで標本の同定を依頼された。2006年には標本返却のためにご自宅に2回もお邪魔しているが、いずれもいきなり押しかけていて、でも嫌な顔一つせずに暖かく迎えてくださった。こちらに来てからはさすがにやりとりの回数は減ったが、それでも年に1回は手紙のやり取りをしていた。確か昨年も別刷りを送って頂いていたと思う。
ご自宅は原野の中の小さな家で、居間にもインロー箱が並んでいた。こんな言い方は失礼だが、ご高齢だったり店からも遠かったりして日々の生活も大変だろうにファウナ調査に関する溢れるばかりの熱意はどこから来るのだろうか、と思った。こういうアマチュア研究者が各地に居てその地域のファウナ解明に情熱を傾けているのがこの国の素晴らしい所で、そういう人たちの活動をプロ研究者が支えていた。飯島さんも中根先生にはかなりお世話になったと言っていた。