吉田貴大(2020)日本の港湾・空港において輸入品から発見されたホソヒラタムシ科(甲虫目)とその識別法.都市有害生物管理,10: 51-66.
重要論文。ヒラタムシ上科の分類という基礎で超マイナーな専門家が日本に居てくれたからこそ出た論文。ここに挙げられている種は定着したら即害虫になる可能性を秘めているので要注意である。
日本の空港・港湾で輸入品に混入していたホソヒラタムシ科甲虫94 個体の標本から11 属17 種を確認。10 種は日本初記録でTelephanus 属と,Monanus 属Monanops亜属は属・亜属単位で初記録。ただ、この10種は野外で採集されておらず今のところは日本に定着している訳ではないので、日本産リストに入れるのは違うかも。ただ、日本のファウナに関係する下記の2点の変更(※)を含む。
Uleiota debilis (LeConte)原産:アメリカ
Uleiota truncatus (Motschulsky)
Cryptamorpha infans Grouvelle
Telephanus sp. 1
Telephanus sp. 2
Monanus (Monanops) albertisi(Grouvelle)
Silvanolomus pullus(Reitter)
Silvanus difficilis Halstead
Silvanus muticus Sharp
Silvanus proximus Grouvelle
※平野(2009, 2010)で分布疑義としながら,日本産種に含められていたMonanus antennatus Grouvelle の日本からの分布の削除
※ミナミホソヒラタムシSilvanus robustus Halsteadは、平野(2009)によって記録されたがSilvanus lateritius (Broun) かSilvanus castaneus MacLeay であることが判明し日本からの分布の削除