まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

さやばね11号

さやばね11号が印刷になった。週明けには皆様のところに冊子が届くと思います。遅くなってしまい申し訳ございません。
個人的に注目論文は以下の通りです。

■浅野真(2013)Foetometamorphosis – その奇妙な発育過程.さやばねニューシリーズ,(11):1-3.
[数年前の学会発表で聞いてそんな発育があるのだと驚かされた。その後2本の論文が出て、それに基づいたレビューを今回お願いした。Foetometamorphosisに関する日本語で初の解説であろう。]
■伊藤建夫(2013)ホソキカワムシ京都府に産す.さやばねニューシリーズ,(11):3.
[まさか本州で採れると思ってもいなかった。]
■亀澤洋(2013)甲虫の生息場所としての「乾燥した樹洞」について.さやばねニューシリーズ,(11):4-14.
[タイトルからはピンとこないが、ミクロハビタットに関する熱い報告。「乾燥した樹洞」をドライホローと名付け、そのミクロハビタットに生息する甲虫相を調べた力作。文章は加藤真先生の真似をしたような詩的で趣深い、そして含蓄のあるもの。内容は示唆に富んでいて、読んだらきっと自分でも調べたくなる。原稿を最初に読んだ時は参った、と思った。やっぱり生命は細部に宿るんですよ。ナチュラルヒストリー好きなら本当にたまらなく面白い報告です!湿っぽくないので、私があまり好きではないミクロハビタットではあるけど、ドライホローはしばらく流行りそう。]