まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

災害を受けた博物館

M.J. TYLER, L.A. FUCSKO & J. D. ROBERTS (2023) Calamities causing loss of museum collections: a historical and global perspective on museum disasters. Zootaxa 5230 (2): 153–178.

サイクロン、戦争、火災、洪水、地震・・・・そういった災害被害を受けた博物館についての報告。本論文で取り上げられた例は57施設に及んでいるが特に第二次世界大戦での被害が大きい。生物多様性にとっても平和が重要ということが言える。日本からは陸前高田市立博物館が報告されている。施設としての被害について纏められているので、小さな規模、例えば大学の昆虫コレクションが無くなったとか、は取り上げられていないので、実際にはもっと多くの博物資料が様々な災害の被害を受けて消失しているものと思う。実際に今もウクライナで進行中でもあるし。

著者らはアブストラクトとイントロの中で、タイプシリーズをできるだけ複数施設に分けて保管することやホロタイプの写真が残っていればphysicalなタイプが無くなってもその写真をホロタイプとする柔軟さが必要ではないかと書いている。確かにその通りだと思うし、わざわざネオタイプを指定せずに個々の研究者の運用的な措置としてそういったことが行われているケースもあると思う。また、自然史博物館施設が国に1つしかないのもリスクだとしている。

いろいろ考えさせられる報告だった。でもこの雑誌に掲載されるんだという感想。

珍しく松山の平野部でも雪がちらつき、一時は猛吹雪になった。早めに警報が出て小学校などは午前中授業になった。大袈裟なと思っていたが、今回ばかりは当たっていたと思った。帰宅するときには路面がガチガチに凍っていて危なかった。こんな中でも自転車に普通に乗っている人がいて危ないなぁと思っていたら派手に転んでいた。

お祝い事があり、家でプチパーティ。赤ワインを飲み過ぎてしまった。やるべきことが山積。

 

鯨骨生物群集

最近、大阪でマッコウクジラが打ちあがって、標本にするしないで揉めていたが、結局は紀伊水道に沈めることになった。ニュースでこんなに大きく取り上げられるとは。大阪だからか、瀕死だったけど生きていたからか。

大阪自然史は標本にしたかったようだけど、鶴の一声で沈めることに決定したようだ。これはこれで鯨骨生物群集を研究するのに好都合な場所が作られたのでは?当然どこに沈めたかGPSデータなどは公開されるのだよな?

気になっていてニュースなどで情報を追っていたが、本件の対応で一番大人で株をあげたのは大阪自然史の館長だと思う。思うところはあるだろうけどだれも傷つけないように経緯を説明されている(ように思う)。

www.omnh.net

ピークハント

ゴキブリと糞虫を探しに佐田半島へ。採れている場所で探すも見つからず。そもそも糞を見つけるのが難しいし見つかってもカラカラに乾燥していて全然ダメ。ゴキもダメ。

諦めて途中からピークハントが目的になった。歩き回っているとこの辺はどこでも照葉樹林の下に石積みがあって、以前見た昔の丸裸なくらいに伐採され上から下まで段々畑になっている写真を思い出した。養蚕や畑作が行われていたのだろう。諸行無常というか、国破れて山河在りというか。何十年か後に今ある風車跡や太陽光パネル跡はどうなっているのだろう。

成果なく6つピークハントして終了。

 

 

報告書

例年の報告書作成。何とか出来上がり県担当者に送る。

ZooRecoの登録にファイルを送るのを忘れていた。去年のメールを検索しFTPで送ろうとするもうまくいかず。担当者に聞いたところ、File Zillaをダウンロードしてから作業するように言われる。そういえば去年も同じことを言われた気がする。1年に1回の作業だと忘れてしまうことも多い。無事にファイルも送ることができた。ただしZooRecoをチェックできないので、本当に登録されているかは不明。

夕方にシリアゲムシの標本が届く。ある方が寄贈してくださった。標本を送る前にエクセルで標本データ一式も送ってくれた。こちらのDBにコピペするだけで済んだので本当に助かった。うちになかった種が1つ増えて嬉しい。