まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ヒアリング

お昼前に川人君とお出かけ。少し早めについてお昼食べながら散策。スギタニルリシジミがいたけど写真撮れなくて残念。

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f:id:yoshitomushi:20210402231454j:plainこれ嬉しかった。たぶんあの属の幼虫で、種としては幼虫は記載されていないと思う。でもヨーロッパで知られる同属の幼虫よりも派手でカッコいい。1つしか採れなかったので、飼育するか標本にするか悩ましいところ。干からびたキノコに付いていた。

f:id:yoshitomushi:20210402231848j:plain春っぽいコメツキもいた。

久しぶりに会った矢野さんにいろいろ教えて頂く。よいアドバイスも頂き来た甲斐あった。

フィールド

本当なら今日は某島へ行く予定であったが、いろいろな都合で延期になってしまった。午前中はデスクワークをしていたが、あまりに天気が良いので、昼前から1人で皿ヶ嶺へ。

安田君が最近採集した某微小甲虫がどうしても採りたくて、採れた場所と採れたキノコも聞いて出かけたが、なかなか見つからず。やっとのことで見つけ出し、何とか1頭ゲット。

運動不足と体重増加もあるけれど、最近の体調不良から少しの登りでも息が切れた。もうちょっと体を動かさねば。ゴジュウカラの声がとても春っぽかった。

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【書評】吸血昆虫ブユの不思議な世界

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読んだ。分類群が分類群だけに、分類の研究だけでなくそれが応用に直結する話で面白かった。

ある程度の年齢になったら、研究者の皆さんはこういった自伝を書いてくれると良いのに、という見本のような本。

 

中国のカメムシ相

Li J, Li Q, Wu Y, et al. Mountains act as museums and cradles for hemipteran insects in China: Evidence from patterns of richness and phylogenetic structure. Global Ecol Biogeogr. 2021;00:1– 16. https://doi. org/10.1111/geb.13276

本文にある山脈の位置図と、Supporting Informationにあるその名称のリストは有用。

私たちはどうやって生き物を識別しているか?

虫屋の中では、採ったやつが一番偉いという不文律がある。野外で実際に自分自身で探すこと、採ること、触ること、そういった経験は標本や文献による知識に勝るということかと思う。実際に私たちは生物を識別する際に大きさや色彩や行動など図鑑に書かれているような特徴以外に、肌触りなどの質感や雰囲気、周囲の環境、匂いなどの経験則を用いることがあり、そのほうが正しいこともある。

BiomeなどのAI画像診断は画像の診断経験をたくさんさせることにより、尤もらしい識別を行うことだが、さすがに質感や雰囲気までは学べないのではないかと思う。Biomeに投稿された他の人が撮影した写真を見て自身で感じた違和感、例えばこの植物にこうやってとまることなさそうとか、こんな人工物にとまらないだろうとか、そういったことで選択肢を絞ったり識別の間違いに気付いたりすることがある。まさに経験が識別に役立っているのだろう。

先日見た虫嫌い論文。室内などの背景に虫がいると嫌悪感が増すということであったが、そもそも虫への体験や経験が少ないことに加え、室内環境に虫がいるという違和感を感じてしまうのではないか。そう考えると、虫グッズにより慣れることができてくるのかも知れない、もっと虫のシャワーを浴び続けなければいけないのかも知れない。