まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

Oiceoptoma tangi

D. SOMMER, J. RŮŽIČKA, M. NISHIKAWA & J. SCHNEIDER (2021) Oiceoptoma tangi (Coleoptera: Silphidae: Silphinae), a new species of carrion beetle from eastern China. Zootaxa 4949 (3): 445–472. 

クロボシヒラタシデムシ Oiceoptoma nigropunctatumとカバイロヒラタシデムシOiceoptoma subrufumに近縁な1新種Oiceoptoma tangiが中国から記載された。愛媛大学ミュージアムの標本も1個体パラタイプに含まれる。

ニセコウベツブゲンゴロウの幼虫

Kohei Watanabe (2021) Biology of the Small Diving Beetle Laccophilus yoshitomii Watanabe and Kamite, 2018 (Coleoptera: Dytiscidae) and Rearing Methods. The Coleopterists Bulletin, 75(1): 88-92. 

飼育状況についても触れている。本種は餌の動きだけでなく匂いにも誘因されるようだとのこと。ゲンゴロウの中でもpredatorとscavengerがいるということだろうか。口器や感覚器を比較すると面白そう。

イッカクの翅2型

K. Hashimoto & D. Suzuki (2021) Environmental Factors Predicting Dispersal Mode of the Wing-Dimorphic Psammophilous Beetle Mecynotarsus niponicus Lewis, 1895 (Coleoptera: Anthicidae) in a Sandy Floodplain: An Exploratory Analysis. The Coleopterists Bulletin, 75(1): 1-8. 

ツノボソチビイッカク Mecynotarsus niponicusの翅の2型の季節消長を追っている。採集方法はやはりカンタリジントラップ。川の水位と関係性がありそうで、水位が高い時期(夏、特に8月)に長翅型の割合が高い。400個体以上も得ているが雌の個体数が少ないのはトラップバイアスだろう。もし続けるなら、雌雄差、長翅型の飛翔筋の状況なども見ることになるかな。河川敷の砂地に生息する昆虫では他にも同じような翅2型を示すものは多そう。チビドロムシとかナガドロムシなんかもそうかも知れない。

東京の真ん中の多摩川でのさらりとした調査でしっかり論文化するところがカッコいい。調査地の風景写真見ると、こんなところあるよね、という身近な環境。