Niwa et al. (2023) Taxonomic reassessment of salamanders (genus Hynobius) from Tsushima Islands, Japan, with a resurrection of Hynobius tagoi Dunn, 1923 (Amphibia: Caudata). Zootaxa 5339(3): 201-236.
対馬にはツシマサンショウウオとカスミサンショウウオが同所的に分布するという衝撃的な論文が出ていたが、本論文では詳細に検討した結果、後者はカスミサンショウウオとは別種で前者のシノニムとされていたタゴサンショウウオHynobius tagoiがそれに当たるということを報告している。同所的に分布する地点も多く分布域もかぶっているけど、交雑は確認されていないとのこと。確かに系統でも両者は離れているようだ。ただ、タゴサンショウウオとカスミサンショウウオは系統樹を見る限り側系統群となるので、分ける必要があるのだろうか。まだ何かあるのかなと思ってしまう。
ツシマサンショウウオには色彩多型があるようだが、タゴサンショウウオにはないようだ。あと、タゴサンショウウオの尾は黄色くなる個体が見られるがツシマは黄色くならないようだ。同所的にHynobius2種が分布するのは面白い。