まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ニホンアカザトウムシの分子系統

Kumekawa, Y., K. Ito, N. Tsurusaki, H. Hayakawa, K. Ohga, J. Yokoyama, S.-I. Tebayashi, R. Arakawa, and T. Fukuda (2014) Phylogeography of the Laniatorid Harvestman Pseudobiantes japonicus and Its Allied Species (Arachnida: Opiliones: Laniatores: Epedanidae). Annals of the Entomological Society of America 107(4):756-772.
力作。素晴らしい。ニホンアカザトウムシとその近縁種の分子系統。系統的に異なるいくつかのクレードが存在し、別種とすべきものだろうとのこと。特に面白いのは四国の東西で別の種となり(そういった分布をするのは昆虫などでも複数例がある)、氷期に四国南部に独立したリフュージアが存在しており、そこから分布を拡大した結果が現在の分布様式となったのだろうという考察。面白いし他にもそういった例が多数見つかりそう。
分類学的には多くの問題が残っているとのことで、次のステップはそれを解決していくこと。