まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【review】テントウムシの食性アゲイン

A. Magro, E. Lecompte, F. Magne, J.-L. Hemptinne, & B. Crouau-Roy (2010) Phylogeny of ladybirds (Coleoptera: Coccinellidae): Are the subfamilies monophyletic? Molecular Phylogenetics and Evolution, 54 (2010)833-848.

別の論文を探索中に発見する(ちなみにその論文はなぜか見つからず・・・・)。18S、28S rRNA、ミトコンドリア12S、16S rRNA、COIを用いて、37属61種のテントウムシを解析し亜科の単系統性について検討している。Coccinellinaeの単系統は支持されたが、Coccidulinae、Epilachninae、Scymninae、Chilocorinaeは多系統とのこと。系統樹上に食性をトレースしその進化についても考察している。
正直、この論文のこのタイトルを見て驚いた。また、内容を見てさらに驚いた。というのも、この論文ともろかぶり!方法も解析も考察の方向性も!こんなこともあるんだなぁ。前作はアメリカ人で今回はフランス人。競争していたのかも知れないが、それにしても双方が独自に研究していたのだとしたら、面白すぎる!思わず同じ著者が少し内容を変えて投稿しなおしたのかと思い、PDFを再チェックしてしまった。
分類学的面白さは、分類学的研究の第一人者が著者に入っている前作のほうが的確に指摘されているように感じる。それに前作のほうが論文中に生態写真などあり視覚的に面白い。しかし、今回の論文のほうが丁寧に解析されており、データの正確さや解析の的確さには軍配があるようだ。
雑誌こそ違うが、出版社も同じ。こんなことってあるんだなぁ。