まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】アリの背中に乗った甲虫を探してロブ・ダン 2009 ウェッジ

この正月に読んだ本の中で最も良かった。もし昨年中に読んでいたら昨年一番だっただろう。感動した。良質なサイエンス読物として売れるだろう。
時代を過去から現代に向かって順に巡りつつ、各研究者の逸話を散文的に読ませているだけでなく(それだけでも私には面白かったが)、それをパズルのピースのようにぴったり合わせて1枚の画を完成させる。うまい構成だし飽きずに一気に読まされた。
訳もとても良いと思う。訳本のタイトルは原著とだいぶん異なるし、本書の内容とはぴったりとはしないが、一目はひくし私のようにタイトルで間違って釣り上げられる人間もいると思うので良いと思う。1つ難を言えば、脚注の位置をもう少し考えて欲しい。せめて頁下が空いているのだからそこを使うとか。
2000円でこうした本が読めるのは、本当に嬉しいものだ。