まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

タイプ標本の貸出

タイプ標本は当たり前のことだが、大変貴重なものである。一昔前はタイプ標本の調査のためにいろいろな博物館を廻ることから分類学の研究はスタートしたが、現在ではネット上でタイプ標本の画像や情報が公開されていたり、メールでの問い合わせが気軽に出来るようになった。加えて郵便事情が良くなり、タイプ標本の郵便による借用も頻繁になってきた。それでもすごく貴重であったり壊れ易い標本については貸出を断られることが多い。
たいてい、1回の貸出には1〜6種までと制限を設けている機関が多い。それも誰にでも貸し出すと言う訳でもない。個人よりもどこかの研究機関に所属している方が借りられる可能性は高い。
以前、ある海外の博物館からタイプ標本を郵送で借り出す際、まずは普通の標本が送られて来た。それを期間内にきちんと送り返すことが出来るか、パッキングは大丈夫か、ということを試された訳だ。それらがOKだったら初めてタイプ標本を借り出すことが出来る。
最終的には人と人との信頼関係が大切だ。ごく常識的なことが気持ち良く出来るようでなければタイプ標本が借り出せないこともあるだろうし、それが原因で研究が困難になることもあるかも知れない。