まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ケシゲンゴロウの幼虫の鼻の役割

M. HAYASHI and S. OHBA (2018) Mouth morphology of the diving beetle Hyphydrus japonicus (Dytiscidae: Hydroporinae) is specialized for predation on seed shrimps. Biological Journal of the Linnean Society, 2018, XX, 1–6.
ケシゲンゴロウ亜科の幼虫は“鼻”(と言っても上唇などが前に突出)が延びてとても変わった形をしている。以前からその機能や構造については、いろんな研究が出ていたが、詳細はよく判っていなかった。本論文では、その“鼻”と特徴的な大腮を使ってケシゲンゴロウの幼虫が器用にカイミジンコを捕食していることを発見・報告している。
数年前に発見自体については聞いていたが、何を捕食しているのかは教えてくれなかった。きっと泥の中に“鼻”を突っ込んでユスリカの幼虫なんかを探索するのだろうなどと考えていたが(“鼻”には面白そうなsensory organがあるという報告がある)、想像もできない捕食方法と相手だったので驚いた。それ以上に、簡単な観察記録をここまでの論文に仕上げたところもすごい。
著者による解説