まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

やどりが(233)

やどりが(230)の記事(津吹,2011)などに対しての反論(というより追加)が出ていた(竹内,2012)。
社会の成熟が、リアル世界からの刺激の欠乏を生じさせ、リアル世界への知的好奇心を失わせるのはある意味仕方ないところではあるという論旨だった。
理解できるところもあるし、的を得ているとも思ったが、私はそんなに達観できない。別に虫に限らず、知的好奇心が失われるほど自然の全ては判っていないと思う。今もsense of wonderがとても大切だと思う。そういう意味でも津吹(2011)の方が私は読んでいて納得できた。ただ、竹内(2012)を読んで、情報過多が生じさせている虫屋コミュニティー内の軋轢(例えば釣り堀採集など)が虫屋コミュニティーの壮年期的問題なんだと考えると妙に納得いった。「やどりが」は日本鱗翅学会の和文誌、特定分類群の学会ながらこのような議論がされているのは素晴らしいと思う。某K学会でもぜひ。