まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

スパイク長靴

私は基本的に山登りはスパイク長靴である。メリットは多く、すぐに水溜りに飛び込めたり木登りできたり滑らなかったり安かったりマムシが怖くなかったり。もちろんデメリットも多く、本格的な登山するなら登山靴を履くべきだろう。しかし私が山に登るのは調査の延長だと考えているので基本的にいつもスパイク長靴だし、本格的な登山はしていないのでスパイク長靴で充分だ。学生の頃からなので20年以上も続けているスタイルなので今更やめられないしやめるつもりもない。毎年2,3足は履き潰しているから、これまでにものすごい数を履いていることになる。

ずいぶん前の話になるが、石鎚山を登っている時にばっちり登山装備の若者に、くすっと笑われたことがあった。スパイク長靴のいでたちの私を見てだ。そんなことは慣れっこではあるが、その若者が岩や下りで滑るわで全然歩けていなくて足元がおぼつかなかった。おいおい大丈夫か、と心配になった。場合によってはトレッキングシューズなんかよりもスパイク長靴の方が機動性が上だと思う。

ふとそんなことを思い出し、こんな言葉が浮かんだ。

「この時代にスパイク長靴を見たら『生き残り』と思え」(土方歳三

マンマルコガネの適応

Lu, Y., Ballerio, A., Wang, S. et al. (2022) The evolution of conglobation in Ceratocanthinae. Communications Biology, 5: 777. https://doi.org/10.1038/s42003-022-03685-2

ミャンマー琥珀を基に1新属4新種を記載。マンマル化に対する適応的意味をいろいろ考察している。やはりシロアリ・アリに対する防御が一番で、コロコロ転がって逃げるのは二次的な適応だろうとしている。

いろいろ試していて興味深い論文。

シズオカコヒゲクロバネキノコバエ

M SUEYOSHI, S NAKAMURA & F MENZEL (2022) A new species of Hyperlasion Schmitz (Diptera: Sciaridae), causing periodic outbreaks in Japan. Zootaxa 5168 (4): 451–463. 
シズオカコヒゲクロバネキノコバエHyperlasion breviantenna sp. n.の記載。基準産地は岐阜県多治見市。日本では静岡県岐阜県から知られているが、オーストラリアからも同種と考えられるものが記録されている。末吉さんの論文は安心できるクオリティ。

プレスリリースはこれ

旧熱帯区

Rossini, M., Grebennikov, V., Merrien, T., Miraldo, A., Viljanen, H. & Tarasov, S. (2022) Paleogene forest fragmentation and out-of-Africa dispersal explain radiation of the Paleotropical dung beetle tribe Epactoidini trib. nov. (Coleoptera: Scarabaeinae). Systematic Entomology, 47(4), 655–667. Available from: https://doi.org/10.1111/
syen.12564

タンザニアマダガスカル、レイユニオン、インド~フィリピンと旧熱帯区的分布を示す糞虫3属について、新族Epactoidiniを設立している。

タマサルゾウムシの幼虫

Gosik R, Sprick P (2022) Morphology of immature stages, biology, and systematic position of the Violet seed weevil, Orobitis cyanea (Linnaeus, 1758) (Curculionidae, Conoderinae, Orobitiditae, Orobitidini). ZooKeys 1121: 59–82. https://doi.org/10.3897/zookeys.1121.86888

旧北区に広く分布するタマサルゾウムシOrobitis cyanea (Linnaeus, 1758)の幼虫期の記載。幼虫はViola caninaというスミレの実を食害するとのこと。タマサルゾウムシ亜科の系統位置についても考察している。