まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

カブトムシの角

Morita S, Ando T, Maeno A, Mizutani T, Mase M, Shigenobu S, et al. (2019) Precise staging of beetle horn formation in Trypoxylus dichotomus reveals the pleiotropic roles of doublesex depending on the spatiotemporal developmental contexts. PLoS Genet 15(4): e1008063. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1008063

ニュースになっていたので探してみたらここだった。日本発のニュースにはDOIが付いていることが少なくオリジナルの論文を探すのに苦労させられる。いくつかのキーワードで検索し直して海外のニュースにたどり着くとたいていDOIが付けられていてオリジナル論文に行きつける。日本人はニュースさえ出てしまえば証拠がなくても信じてしまうというところなのか、それともDOIを付けるだけなのに制約があるのか。

石鎚山系からツルギマルヒメドロムシ

稲畑憲昭・上手雄貴(2019)石鎚山系からツルギマルヒメドロムシを採集.さやばねニューシリーズ(33):12-15.

剣山系でしか採れていなかったツルギマルヒメドロムシOptioservus inahatai
Kamite, 2015が石鎚山系でも得られたとの報告。自分も探していたが見つけることができていなかった。

ゲンゴロウの皮膚呼吸?

Karl K. Jones, Steven J. B. Cooper, Roger S. Seymour (2019) Cutaneous respiration by diving beetles from underground aquifers of Western Australia (Coleoptera: Dytiscidae). Journal of Experimental Biology 2019 222: jeb196659 doi: 10.1242/jeb.196659

入手せねば。

Lance lacewings

SHAUN L. WINTERTON, CALEB CALIFRE MARTINS, VLADIMIR MAKARKIN, ADRIAN ARDILA-CAMACHO, YONGJIE WANG (2019) Lance lacewings of the world (Neuroptera: Archeosmylidae, Osmylidae, Saucrosmylidae): review of living and fossil genera. Zootaxa, 4581(1): 1-99. 

入手した。ヒロバカゲロウの科のレビューで各属が詳細に記載され世界の種のリストまで付いていて有用。幼虫をもう少し扱って欲しかったし、形態形質ももう少し突っ込んで欲しかった。けど、とっても有用。いくつかの属は初めて見るものでこんな感じの翅に紋があるんだと見入ってしまった。松野君の論文もしっかり引用してくれていた。

すごい発見

すごい発見をすると吐き気がする位興奮する。いま見ている虫は、それ自体もすごい発見なのだが、すごい形質を持っていてカッコよくてカッコよくて。ぜひとも論文もカッコいいものに仕上げたい。

査読を引き受ける。知り合いのものだったので気軽に引き受けたが、図表込みで100頁を超える長いものだった・・・・気軽に引き受けるのではなかった、ちょっと後悔。GW明けまでがタイムリミット。

クモヒメバチ

高須賀圭三(2019)多様なクモ網を打破したクモヒメバチの多様な産卵行動戦術.昆蟲(ニューシリーズ)22(1):11-23.

松本吏樹郎(2019)グラビアシリーズ:昆虫の横顔クモヒメバチの驚異的な生活史(ヒラタヒメバチ亜科,ヒメバチ科,ハチ目).昆蟲(ニューシリーズ)22(1):38-40 + 8 figs.

 高須賀君は写真うまくなったなぁと思ったら違っていて笑ってしまった。でもリンクしていてよい試みだと思う。産卵行動の共通点のところはなるほどと思わされた。それゆえZ. albicoxaの子殺しもみられるのだろう。

Takasuka K et al. (2019) Oviposition behaviour by a spider-ectoparasitoid, Zatypota maculata, exploits the specialized prey capture technique of its spider host. Journal of Zoology, early view.

もちょうど送ってもらったので読んだところだったが、上記のレビューがちょうどよい日本語訳になっていた。