まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

シラオビシデムシモドキの幼虫

A.A. Zaytsev & A.S. Tokareva (2021) Larval description of Nodynus leucofasciatus Lewis, 1879 (Coleoptera: Staphylinidae: Apateticinae) with discussion of Staphylinidae chaetotaxy. Russian Entomol. J. 30(4): 482–499. 

シラオビシデムシモドキの幼虫はFukuda (1959)により記載されていたが記載が古く不十分だったことと全齢期が記載されていなかったことから再記載している。また、刺毛相も詳しく見ている。丁寧で素晴らしい論文。

ハネカクシ上科の幼虫の刺毛相はAshe & Watrous system (1984)を用いられることが多かったが、刺毛の相同性を追うのが異なる分類群間で難しいこと、一部の部位でしか用いられてこなかったことなどの問題点があった。そこで、本研究ではオサムシ科幼虫で提唱され利用されているBousquet & Goulet system (1984)を用いている。相同性も追いやすいしオサムシ科幼虫の刺毛相とも70%近くも相同と考えられることが判ったということで、今後はこちらがスタンダートになってくるのだろう。

前者の方が簡便だと思うが、今後はいろいろな甲虫のグループで後者を基に刺毛相の記載が行われることになるだろう。