まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

チビヒラタムシ科とネスイムシ科の命名法的変更

McElrath, T.C., and Yoshida, T. (2021) Proposed Nomenclatural Changes for Some Genera of Laemophloeidae and Monotomidae (Coleoptera: Cucujoidea). Coleopterists Bulletin, 75(3) : 702-706. 

大きく3つの提案を行っている。(著者の吉田君にいろいろ教えてもらった)

1.チビヒラタムシ科のHomalirhinus属とゾウムシ科のHomalorhinus属とは酷似しているからと、のちに提唱されていたRhinomalus属(不要な置換名)をシノニムで消した。日本産とは関係がない。
2.チビヒラタムシ科のPseudophloeus Yablokov-Khnzoryan, 1977はヘリカメムシ科のPseudophloeus Burmeister, 1835の新参ホモニムだったためYablokophloeusを提唱。単型属で、下記の新結合となる。日本にも産する。
 ウスグロチビヒラタムシYablokophloeus fuscicornis (Reitter, 1874)
3.ずいぶん厄介で2転3転しているので簡単に示すと、Pachycephala Fairmaire, 1883が鳥のPachycephala Vigors, 1825の新参ホモニムであったので提唱された置換名Holocephala Fairmaire, 1886があった。しかしこれは最近までHolocephalus Hope, 1838のさらなる新参ホモニムと考えられていて、Shoguna Lewis, 1889が使用されてきた。ただ、Holocephala Fairmaire, 1886とHolocephalus Hope, 1838はホモニムではない。このネスイムシ科のHolocephalaは以下の日本産種がいて新結合となった。Shogunaがシノニムなのはちょっと寂しい。
 キイロホソネスイHolocephala rufotestacea (Lewis, 1889)