まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

悲しいことがあった2

これもこの前登った山での出来事。

山を下りて林道に停めた車に戻ってくると、ネコがいた。まだ幼いペルシャ系のネコだった。人を見ても逃げようとしないし、車の横で腰を下ろした状態でじっとしてこっちを見ている。おいおい、ここは山の中だし一番近い民家からも8㎞ほど離れているのにどうしたことか、と思ったが、何となく察した。痩せてガリガリだし口と足の周りは泥だらけ。ある程度飼われて大きくなった段階で捨てられたのだろう。山奥の方が餌が多いとでも思ってこんなところに捨てて行ったのだろうか。時々来る登山客に餌を貰って何とか食いつないでいるのだろう。どうしたら良いのか考え、とりあえず捕まえて下界に降ろしてあげよう、その方がましだろうと思った。

おいで~と猫なで声で呼ぶと、こっちに来る素振りはするがある一定距離以上には近づかない。ならばと網で捕まえようとするが、射程圏内には入れないし、車の下に逃げ込んだりとなかなか賢いしこちらを警戒している。結局捕まえることもできず、諦めて置いてきてしまった。しばらくは生きているかも知れないが、長くはもたない気がする。

人間不信だけど人間を頼りにしないと生きていけない存在が、あんな山の奥に放置されていることを考えると可哀そうで仕方がない。ネコは優秀なハンターで野生生物を捕食することで問題になっている地域も多いが、あの個体があの環境で生き延びれるとは思えない。車について山を降りてくればよいものの、あの場所から離れようとはしなかった。餌がもらえた成功体験でもあったからなのだろうか。

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ネコ(本文とは関係ない個体)