まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

悲しいことがあった

この前登った山でのこと。

倒木の上にマムシがいた。何か違和感を感じ近づくと、頭を潰された死骸だった。おそらく数日前に殺されたものだと思う。山道ではときどきこういう死骸を見ることがある。有毒のマムシだけでなく、無毒のアオダイショウやシマヘビを見たこともある。おそらく、殺した人はそれが正しいことという親切心でやっていることだと思うが、本当にやめて欲しい。

ネットで調べてみると年間1000人以上の人がマムシに噛まれそのうち数人の命が犠牲になっているという(ソースによって被害者数はまちまちだが死者数はおよそ一致)。では実際に登山中の被害はどれくらいなのだろうか。山歩きしているだけでマムシに噛まれるという状況があまり想像できない。足元が気になるなら長靴を履くことを強く勧める。これまでにマムシに噛まれたことがあるという知り合いが2人いた。彼らの1人は捕まえようとして噛まれ、もう1人はマムシをからかっているうちに噛まれたということだ。実際、少し気をつけてさえいればマムシに噛まれることはないと思うし、登山という行為がマムシに噛まれる危険性とあまり結びつかないように思う。

ところで、私はヘビは苦手ではないしどちらかというと好きな生き物だが、家族はみな苦手だ。子供の頃、ヘビを殺すと呪われるとか夜中に口笛を吹くとヘビが寄ってくるとかいう迷信を何度も聞かされた。そんなことを信じろとは思わないし、乙事主やデイダラボッチが居なくなってしまった日本の自然環境に畏怖の念を感じるのは難しいかも知れない。でも少しは尊敬や恐怖といった感情を、自然や生物に対しても持って欲しいと思う。

マムシの頭を潰した人は、登山をしているくらいだから、自然が好きな人なんだと思う。そんな人がした行為だからこそ、なおさら悲しい。

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マムシ