まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

オオキトンボ

村上裕・久松定智・武智礼央・黒河由佳・松井宏光(2020)愛媛県中予地域におけるため池の減水管理がオオキトンボの幼虫の発生に与える影響.保全生態学研究,online first. https://doi.org/10.18960/hozen.2005

オオキトンボの保全にはため池の減水管理が重要で、そのタイミングや方法などまだまだ判らないこともある。同じような管理をして産卵も確認していても再生産に寄与していない池の存在も確認された。どうしたら良いのかと判りやすい解決策は示せないが、管理する側としっかり合意形成をとって個々に対応するしかないのだろう。安直に成虫がいるから保全対象という調査への戒めでもある。でもオオキトンボはそんな無駄打ちを行うことにより地域個体群の維持に繋がっているのだろうから、(その年は)再生産に寄与しなかったため池でも保全する必要性はあるとも思う。

保全に向けて、行政と研究者、NPOがタッグを組んだ素晴らしいい調査。行政側に生態学者が居ることの重要性がこの論文を見て一番感じたこと。