まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

竹のphytotelmataから得られるExochomoscirtes

D. Kovac and B. Klausnitzer (2020) A new species of Exochomoscirtes Pic, 1916 from Malaysia (Insecta: Coleoptera: Scirtidae) with biological notes on the bamboo-inhabiting members of the genus. Contributions to Entomology: Beitrage zur Entomologie, 70 (1): 167–180.

これは面白い論文。

第1著者は主にタケの切り株のPhytotelmataを中心に昆虫の生態や分類などを研究している人で、EJEに出たコゲチャセマルケシキスイが水生だったという論文を書いた人。第2著者はマルハナノミの第一人者。第一著者のマレーシアとタイのタケのPhytotelmataなどの調査結果を第二著者が同定しまとめ上げたというもの。中で1新種記載している。

幼虫が蛹室を作っている種があることや1つのPhytotelmataに1種もしくはときどき数種が見つかること、種によってPhytotelmataの好みがあるかも、というところが面白い。また、“Experimental internode”として人工のPhytotelmataを作っていて、これを日本でもやったら面白そう。オオカの幼虫の調査のために自動車のタイヤを野外に設置するという話を聞いたことがあるが、タイヤを設置するのは今の時代ちょっと難しそうなのでこの竹の“Experimental internode”は有効かも。